「過去形と現在完了形の使い分けがわからない時がある...」
今回はそんな方のために "過去形と現在完了形の違い" をどこよりも簡単に解説していきます!
記事の内容
- 過去形と現在完了形の定義
- 過去形と現在完了形の比較
- ネイティブの実際の使い分け
記事の信頼性
子育てをしながら社会人から、留学なしで英語・中国語を身に付けてきたプロセスをシェアしています。
おそらく多くの方が悩んでしまうのが「ちょうど雨が止んだ」のような、現在完了形が完了用法で使われる場合と過去形の違いだと思います。
今回はそういった場合を含め、プラスして経験用法や継続用法と過去形の違いにについてもを比較して見ていきます。
それではさっそく見ていきましょう!
Contents
過去形と現在完了形の定義
ではさっそく『過去形と現在完了形の違い』を比較して見ていきましょう。
この2つの違いを理解するためには、まずはお互いの "定義・考え方" を知っておく必要があります。
- 過去形…過ぎ去った過去の出来事に焦点を当てる
- 現在完了形…過去の出来事が現在に与える影響に焦点を当てる
過去と現在のどちらに焦点を当てているかが、この2つの時制の大きな違いになります。
現在完了形は "現在に焦点を当てている" ため、過去形のように yesterday など過去のあるポイントを指すような表現と共には使えないのも特徴の1つです。
この2つの定義を念頭に置いて、この先を読み進めていきましょう!
過去形と現在完了形の比較
では続いては『過去形と現在完了形の比較』を行っていきます。
両者の比較は違いを分かりやすくするために、現在完了形の3つの用法である "完了・経験・継続" に分けて見ていきます。
まずは1番混乱が起きやすい『過去形 vs. 現在完了形(完了用法)』の違いを説明していきます。
過去形 vs. 現在完了形(完了用法)
ではまずは『完了用法を用いた時の両者の違い』を見ていきましょう。
現在完了形の完了用法と言えば、already, yet, just などを用い「すでに, もう, ちょうど」 などの意味を持つ文章となるのが特徴ですよね。
確かに過去形を使っても表せそうな文章ですが、違いを明確にするためのポイントは「どの時点に焦点を持ってきているか?」です。
例えば画像のように「鍵をなくす」を過去形を使って言えば、「なくした」という過去の事実だけについて言及しています。
「鍵が見つかったかどうか?」については言及されていないので、過去形の文章の後に but に続けてその後の展開を言うケースも多いです。
対してこれを現在完了形を使って言うと、過去に「なくした」ことよりも「今もない」という現在の状況に焦点を当てられます。
これだけで「まだ鍵は見つかっていない」というニュアンスは伝わりますが、現在完了形の文章の後にさらに so を続けてその後の展開を言うケースも多いです。
例文
- I lost my keys, but I found them the next day:鍵をなくした、でも次の日には見つかった
- I have lost my keys, so I can't get into my house:鍵をなくした、だから今家に入れない
過去形 vs. 現在完了形(完了用法): その他の例文
過去形と現在完了形の完了用法は、非常に紛らわしいものです。
理解を深めるために、もう少し例文を見ていきましょう。
例文①
- I made a cake last week
- I have just made a cake. Would you like some? ⇐ ケーキを作ったのは過去だけど、今それを食べるかどうか聞いている
例文②
- I didn't do my homework ⇐「宿題をやってない」のは過ぎ去った過去として発言
- I haven't done my homework yet ⇐「現時点ではやっていない」というニュアンスを含む
例文③
- Did you vote in the election?
- Have you voted in the election yet? ⇐「まだ選挙期間中だ」というのが伝わる
過去形 vs. 現在完了形(経験用法)
続いては『経験用法を用いた時の両者の違い』を見ていきます。
現在完了形の経験用法と言えば "~したことがある" のような意味を持つのが特徴ですね。
経験用法と過去形の比較は、完了用法の場合と異なり意味の違いは明確で分かりやすいですね。
例えば画像のように「スペインに行く」を過去形を使って言えば、「行った」という過去の事実だけについて言及しています。
対してこれを現在完了形を使って言うと、「行った経験がある」という現在のステータスに焦点が当てられます。
もちろん yesterday など特定の過去について言いたいなら、使えるのは過去形のみです
過去形 vs. 現在完了形(継続用法)
最後に『継続用法を用いた時の両者の違い』を見ていきます。
現在完了形の継続用法と言えば "~の間している" のような、時間幅を持った意味を持つのが特徴ですね。
例えば画像のように「10年住む」を過去形を使って言えば、「過去に住んでいて今は住んでいない」ということが分かります。
対してこれを現在完了形を使って言うと、「今日まで10年住んでいる」という過去から現在までについて言及しているのが分かります。
もう少し理解を深めるために、以下にさらにもう1例を載せておきます。
その他の例文
- I knew Anna for 5 years ⇐「今はもう親しくない・会えない」という感じがする
- I have known Anna for 5 years ⇐「今日まで5年来の知り合い」ということ
ネイティブの実際の使い分け
以上ここまで説明してきたものが、文法書にも書かれているような "過去形と現在完了形の使い分け" です。
ですが実はこのルールは、アメリカ英語(特に会話)においては守られなくなってきています。
アメリカ英語では特に already, yet, just を使うような完了を意味する文章の時は、完了形ではなく過去形を使っていきます。
ですが過去形より現在完了形を使ったほうが "フォーマル感" が出るということもあり、過去形を使うのはまだほとんど会話文中のみになっています。
イギリス英語では文法書のルール通り、過去形と現在完了形をきっちり使い分けていきます。
イギリス英語 | アメリカ英語 | |
過去形 vs. 現在完了形(完了) | 使い分ける | 会話ではどちらも過去形のことが多い |
過去形 vs. 現在完了形(経験) | 使い分ける | 使い分ける |
過去形 vs. 現在完了形(継続) | 使い分ける | 使い分ける |
例文①:メールもう受け取った?
- Have you received the email? ⇐ イギリス英語, アメリカ英語(フォーマル感)
- Did you get the email? ⇐ アメリカ英語(フレンドリー感)
例文②:ファイルは添付してあります
- I have attached the file to it ⇐ イギリス英語, アメリカ英語(フォーマル感)
- I attached the file to it ⇐ アメリカ英語(フレンドリー感)
例文③:もうチケット買った?
- Have you bought the ticket yet? ⇐ イギリス英語, アメリカ英語(フォーマル感)
- Did you buy the ticket yet? ⇐ アメリカ英語(フレンドリー感)
まとめ
この記事では『過去形と現在完了形の使い分け』について解説していきました。
ご紹介した通りアメリカ英語ではイギリス英語と異なり、現在完了形の完了用法と過去形の区別がされなくなってきています。
これまで「間違えているんじゃないか...」と自信がなかった人も、恐れずがんがん会話で使っていきましょう!
過去形と現在完了形の違い
- 「過去の出来事に焦点を当てるか?」or「過去の出来事が現在に与えている影響に焦点を当てるか?」が重要
- 現在完了形が完了用法として使われる場合には、アメリカ英語では過去形と区別されなくなってきている