「字幕を見ながら映画を見るのって、意味あるのかな...」
今回はそんな方のために "字幕を見ながらリスニング学習をする際の学習効果" についてご紹介していきます!
記事の内容
- 字幕を使った英語学習【研究報告】
- 研究報告から分かること
- さらに踏み込んだ考察
記事の信頼性
子育てをしながら社会人から、留学なしで英語・中国語を身に付けてきたプロセスをシェアしています。
Contents
字幕を使った英語学習【研究報告】
ではさっそく『字幕を使ったリスニング学習の効果』について見ていきましょう。
実はすでに、同志社大学の植松教授によって「英語音声 + 日本語字幕」と「英語音声 + 英語字幕」の学習効果の違いについてが、論文として報告されています。
ここでは、その内容を掻い摘んでご紹介していきます。
参考:DVD映画教材利用時の英語字幕が英語学習に与える影響について
研究報告
【研究内容】
- 被験者を英語レベルにより「初級」と「中級」にグループ分け。
- そのグループをさらに2つに分類し、それぞれに計14回のアメリカ映画(ネイティブの小学生低学年向けレベル)を「英語音声 + 日本語字幕」と「英語音声 + 英語字幕」という条件で視聴してもらう。
- 全体の調査期間の前後における、TOEIC試験のスコアの伸び具合を各群間で比較。
【研究結果】
- 英語レベルに関わらず「英語音声 + 日本語字幕」のグループには、TOEICスコアに有意な変化なし。
- 英語レベルが「初級」で「英語音声 + 英語字幕」で映画を視聴したグループには、リスニングスコアが有意に向上した。
- 英語レベルが「中級」で「英語音声 + 英語字幕」で映画を視聴したグループには、リスニング・リーディングスコアが有意に向上した。
研究報告から分かること
続いては、上でご紹介した『研究結果から分かること』について共有していきます。
まず1つ目が、たとえ英語音声で映画やアニメを見ていたとしても、字幕に日本語を使ってしまえば学習効果は得られないということですね。
確かに英語で音声を流していたとしても、日本語の字幕を見て内容を理解しようとするため、英語力の向上は見込めそうにありませんよね。
続いて2つ目に、英語字幕を使って映画を英語で見ることで、リスニング力+リーディング力の2つのスキルの向上が見込めるということですね。
そして3つ目に、英語レベルに合わせて映画の素材を選ばないと、得られる学習効果は低下してしまうということです。
今回研究で使用された映画は、ネイティブの小学生低学年向けということでしたが、英語初級者にとってはさらにレベルを下げて自分に合うものを選ばないと十分に良い影響が得られないと分かります。
「英語音声 + 英語字幕」の学習効果【さらに踏み込んだ考察】
続いては、私個人の学習体験から『英語字幕を使ったリスニング学習』についてをさらに深く考えていきます。
英語字幕を用いたリスニング学習のメリットとデメリットの、2つの観点から詳しく見ていきましょう。
英語字幕を用いたリスニング学習のメリット
まずは『英語字幕を用いたリスニング学習のメリット』から見ていきます。
まず1番に考えられるメリットは "耳から得られる発音情報と目から得られる英文情報を組み合わせて理解ができる" ということです。
これは特にリスニング力が、視聴する動画コンテンツのレベルにまだ至っていない場合に感じられる強みですね。
例えば「a bit of better butter」という文字情報を見ながら「アビドブベダバダー」という音を聞くことで、初めてこのフレーズのリアルな発音情報が脳に蓄積されていきます。
しかしこの学習効果は、自分の英語レベルにあまりにも合っていない素材を選んでしまう場合には上手くいきません。
なぜならそのような素材では、音声や字幕が追い付けないレベルで早く流れていってしまうため、繰り返し再生しようとする意思がない限り、文字と音の情報を上手く結びつけることができない恐れがあるからです。
やはり自分の英語レベルに合った素材を選ぶのが重要ということですね
英語字幕を用いたリスニング学習のデメリット
続いては『英語字幕を用いたリスニング学習のデメリット』について見ていきます。
私が考える1番のデメリットが "思ったよりもリスニングに対する学習効果が得られない" ということです。
この学習方法にチャレンジしたことがある人なら分かると思いますが、無意識で動画を見ていると、どちらかというと音の情報よりも目からの情報に頼って内容を理解しようとしてしまいます。
つまり、リスニング力よりもリーディング力(速読力)に対する学習効果の方が大きくなってしまうのです。
このデメリットを回避するには、耳からの情報だけでなるべく内容を理解しようとするように意識的に努めることが重要になってきます。
目からの情報(字幕)は、あくまで補助的な役割だと考えるべきです
まとめ
この記事では『英語字幕を用いたリスニング学習の効果』についてご紹介していきました。
結論としては、英語字幕を使ったリスニング学習は確かに効果的なものですが、きちんと目的の学習効果を得ようとするなら注意点も多いということですね。
個人的にもやはり無意識で英語字幕をつけ映画を見ていると、文字情報ばかりに目がいって、リスニング学習になっていないと感じることがよくありました。
ここの意識付けは、忘れないようにしたいですね。
字幕ありのリスニング 学習効果
- 「英語音声 + 日本語字幕」では、得られる学習効果はない
- 「英語音声 + 英語字幕」では、リーディング・リスニング双方に学習効果がある
└ 自分の英語レベルに見合った素材を選ぶ
└ リスニング効果を高めたいなら、耳からの情報で内容を理解するように努める