「医英検3級のリスニングってどんな感じなんだろう...」
今回はそんな方に向けて "医英検 リスニングパートの詳細と攻略法" についてご紹介していきます!
記事の内容
- 医英検3級のリスニング 概要
- 先読みは可能なのか?
- 各パートの特徴と攻略法
- 必要な参考書
記事の信頼性
子育てをしながら社会人から、留学なしで英語を身に付けてきたプロセスをシェアしています。
この記事を読めば「医英検3級のリスニングを突破するために何をすればいいのか?」が明確になります。
問題集の分析・実際に試験を受けた結果から「問題の特徴」や「攻略法」など、分かったことを共有していきたいと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
医英検3級のリスニング 概要
ではさっそく『医英検3級 リスニングパートの概要』についてをご紹介していきます。
まずは医英検3級 リスニングの難易度についてですが、レベル的には英検準1級くらいだと個人的には思います。
読まれる英文のスピードはある程度速く医療英単語も出てくるので、その点では難易度は高めだと感じました。
ただ問題文が2回読まれるので、内容は落ち着いて聞くことができると思います。
しかし1問あたりの解答時間が10秒もなく、2回目の音声が流されるので速読力も必要になってくる印象もあります。
総問題数 | 9題(15問)※ 受ける年により前後する |
合格基準の目安 | 7割(11問)正解が1つの目安 |
1問あたりのリスニング時間 | 1分 ~ 2分(1問につき英文は2回読まれる) |
先読みは可能なのか?
続いてはみんなが気になるであろう「先読みは可能なのか?」についてです。
結論から言ってしまえば、この試験では先読みはできないです。
その理由は、リスニング問題がリーディングが終わった後に配られるからです。
リスニング問題の最初にExampleとして1題例文が流れるので、その間の1分30秒程度の間なら可能ですが...
リスニングの各パートの特徴と攻略法
それではここから『リスニングの各パートの特徴と攻略法』について見ていきましょう。
出題される問題ごとの特徴から、リスニングは全部で2つのパートに分けられています。
受ける年により問題数は前後する可能性があるそうです。
リスニングの2パート
- Dialogue(対話形式)
- Case Presentation(症例報告)
Dialogue(対話形式)
まずは『対話形式』の問題についてです。
このパートの特徴が "お医者さんが患者さんに検査結果を伝えたり、症状を聞いたりする" 内容だということです。
会話形式の問題ということもあり、スピードはかなり速いと感じると思います。
「tonsil:扁桃」「STD:性感染症」のような医療英語も普通にでてきます。
この問題タイプを攻略するのに知っておくべきなのが、設問が2つのパターンに分かれているということです。
設問パターン
- 正答が本文中の言い換えになっているパターン
- 本文中から推測して答えを導き出すパターン
正答が本文中の言い換えになっているパターン
まず1つ目の設問パターンが『正答が本文中の言い換えになっている』です。
このパターンは消去法でも解けますし、特段難しい言い換えもないので苦労する人は少ないと思います。
ある程度の医療英単語は読めば分かる状態にしておくのがベターです。
過去問から抜き出した、リスニング本文と選択肢間の実際の言い換えの参考例を載せておきます。
言い換えの参考例
- died in a fire → passed away in an accident
- look inside your eyes with this device → fundoscopy
本文中から推測して答えを導き出すパターン
続いて2つ目の設問パターンが『本文中から推測して答えを導き出す』です。
こちらは少し厄介です。
例えばリスニングの会話の流れから「医師が何を確認しようとしているか?」などを推測させる問題がでてきます。
ただリスニングの本文が理解できているだけでは、このパターンの問題は解けません。
こちらは消去法と併用して確実に解いていくのをおすすめします!
対策方法
このパートのリスニングが苦手な人は、実際にYouTubeで医師と患者のやりとりを英語で聞いて練習しましょう。
わたしのおすすめをこちらに載せておきます。
Case Presentation(症例報告)
続いてリスニング2つ目のパートが『症例報告』です。
このパートの特徴は "お医者さんが患者さんの病状などの事例についてアナウンス形式で報告する" というものです。
この問題タイプは、事前に「症例報告の流れ」を知っておくと解答するのが楽になります。
こちらがその流れです。
症例報告の流れ
- 患者情報
- 問診結果(主症状の詳細・システムレビュー・既往歴・手術歴・内服薬・アレルギー・家族歴・社会歴)
- 検査結果(バイタルサイン・全身の様子・精神状態・頭頚部・心臓・胸部・腹部・神経・四肢・皮膚など)
- 要約
- 鑑別疾患の報告
- 今後の検査や治療計画について
リスニング問題として実際に聞くことになるのは、この症例報告の流れの中の一部分です。
それぞれのポイントにはよく使われる表現やフレーズが存在します。
次はそれについて詳しく見ていきましょう!
患者情報
まずは症例報告の最初に行われる『患者情報』の部分についてです。
基本は「名前・年齢・性別・人種・職業・主症状」などが簡潔に述べられます。
こちらが良く使われるパターンとその他重要表現です。
よく使われるパターン
The patient is an 82-year-old man, who presented with a 2-day history of chest discomfort.
その他重要表現
- be admitted to:入院した
- be transferred to:搬送された
- be referred to:紹介されてきた
問診結果
患者情報が述べられた後は『問診結果』が報告されます。
基本的には「主症状の詳細・システムレビュー・既往歴・手術歴・内服薬・アレルギー・家族歴・社会歴」などについてです。
システムレビューとは、各臓器になにか症状があるかどうかについてです。
よく使われるパターンと重要表現について見ていきましょう。
よく使われるパターン
- Review of systems is negative except as mentioned in the history of present illness.
- Her past medical history is significant (or remarkable) for 3 years of hypertension.
- Her past medical history is insignificant (or unremarkable).
重要表現
- be significant [remarkable] for:特記すべきことは ~
- He reports 症状:~という症状を主張している
- He complains of ~:~という病状を訴える
- severity [pain intensity] is 3 out of 10:痛みのレベルは10段階で3
検査結果
続いては『検査結果』についての報告です。
基本的には「バイタルサイン・全身の様子・精神状態・頭頚部・心臓・胸部・腹部・神経・四肢・皮膚」などについてです。
重要表現とよく使われるフレーズについて見ていきましょう。
よく使われるフレーズは、本当にそのまま決まり文句として出てきます。
知らないと絶対に分からないので覚えてしまいましょう!
よく使われるフレーズ
- The patient is in no acute distress.:NAD(全身状態良好)
- normo cephalic & atraumatic.:NCAT(頭部外傷なし)
- The neck is supple.(項部硬直なし)
- The pupils are equal and round, react to light and accommodation.:PERRLA(光を当てても目を寄せさせても瞳孔が反応して小さくなる)
- The extraocular muscles are intact.:EOMI(外眼筋は損なわれていない)
- Regular rate and rhythm, normal S1 and S2, no murmurs, rubs, or gallops.:RRR, nl S1/S2, no m/r/g(心拍数は正常範囲内で、尚且つ不整脈なし)
- Clear to auscultation bilaterally, no wheezes, rhonchi, or crackles.:CTAB, no w/r/c(両側の聴診に異常なく、喘鳴、気道・肺胞からの変音もない)
- Digital rectal examination revealed bright red blood per rectum:DRE: BRBPR(直腸指診で直腸に鮮やかな赤色の血液を認める)
重要表現
- On physical exam, ~:身体検査については ~
- ~ noted:~が認められる
- be tender to palpation:触診に対する圧痛がある
- tenderness:圧痛
- be oriented to ~:~に見当識が保たれている
要約・鑑別疾患・今後の検査や治療計画
次に『要約・鑑別疾患・検査治療計画』について報告されます。
『In summary, ~』などから始まり、自由に展開されます。
こちらについても、よく使われるパターンをご紹介します。
よく使われるパターン
- Differential diagnosis includes ~:鑑別疾患は ~
- ~ is the most likely:~は最も可能性が高い
- Potential plans of treatment include ~:今後の治療計画は ~
対策方法
この問題が苦手な人は、こちらのYouTubeの動画をおすすめします。
実際に医師が症例報告をしている動画がいくつか載せられています。
お決まりのフレーズが実際に使われていることも確認してみてください。
リスニング対策に必要な参考書
続いては『リスニング対策に必要な参考書』についてご紹介していきます。
今回は私が実際に使用した以下の3冊を共有していきます。
おすすめの参考書
- 日本医学英語検定試験3級・4級
- 1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい
- 医歯薬系 入試によく出る英単語
日本医学英語検定試験3級・4級
まず1冊目に紹介するのが『日本医学英語検定試験3級・4級』です。
こちらの参考書は、医英検主催の日本医学英語教育学会から出版された公式問題集です。
試験当日に問題用紙が回収される医英検では、現時点ではこの参考書で問題形式の対策をしていくしかありません!
特徴
- 3級・4級の過去問から作られた模擬試験が載せられている
- 巻末に試験に必要な医療英単語集が載せられている
1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい
2冊目に紹介するのが『1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい』です。
こちらの参考書は、医療英単語を専門に載せた単語帳ですね。
これも1冊目に紹介した単語帳と同じく、医英検を受けるなら必須の参考書です。
医英検専門の単語帳が出ていないからこそ、これを代替品として使いましょう。
特徴
- 医療英単語の効率的な覚え方である『語源に注目して覚える』が実践されている
- 繰り返し同じ単語が出てきて、1周するだけでもかなり覚えられる
医歯薬系 入試によく出る英単語
最後に、医療英単語の基礎知識に自信がない人におすすめな1冊をご紹介していきます。
それが『医歯薬系 入試によく出る英単語』です。
こちらは医療系の大学を受ける人にとっては、有名な参考書かもしれませんね。
専門的な医療英単語ではなく「処置、症例」などの基本的なものがまとめられています。
特徴
- 医英検を受ける前段階として必要な基本的な英単語が収録されている
- 医療の内容の長文を読みながら覚えていけるスタイル
まとめ
この記事では『医英検のリスニングの詳細と攻略法』をご紹介していきました。
英文の読まれるスピードは速く、難解な医療英単語も出てくる厄介なパートだと思います。
全15問のうち約11問の正解率が必要なので、1問たりとも気は抜けません。
苦手な部分を見極めてしっかり対策しておきましょう。