2024年度の5月から開始された新形式の英検ですが、出題内容や時間配分など、従来型の英検との違いに対して戸惑いを抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そういったリニューアルの情報をすべて反映させた『新形式に対応した英検2級の完全情報ガイド』を共有していきます。
これから新形式の英検2級を受験する予定の方は、ぜひ一度目を通しておいてください。
それではさっそく見ていきましょう!
記事の内容
- 英検2級の合格ライン
- 英検2級の試験レベル
- 英検2級 新形式の試験内容
記事の信頼性
子育てをしながら社会人から、留学なしで英語・中国語を身に付けてきたプロセスをシェアしています。
Contents
英検2級の合格ライン
まずは『英検2級の合格ライン』についてご紹介していきます。
すでにご存じの方も多いと思いますが、英検はTOEICとは異なり、4技能 (リーディング, リスニング, ライティング, スピーキング) の実力を測る英語試験であり、それぞれの技能が、英語力を測る世界基準の尺度である CSEスコア (Common Scale for English) によって採点・合否判定されていきます。
それぞれの技能のMaxの持ち点が650点で、一次試験ではリーディング、ライティング、リスニングの3技能合わせて「1520点/1950点」 が、二次試験のスピーキングでは「460点/650点」が合格基準とされています。
しかし英検におけるCSEスコアの採点方式は正確に明かされていないため「自身で合格しているかどうか?」を判定したい場合は、次にご紹介する "合格者平均点の目安" を参考にしましょう。
合格者平均点の目安
英検では毎回試験が終わるたびに、合格者の平均点が合否情報と共に発表されます。
受験回によって多少ブレはありますが毎回大きく変わることはないので、以下に示した数値を合格基準と考えていただければ大丈夫です。
ご覧の通りライティングの採点が甘いと言われている英検では、ほとんどの合格者はリーディング, リスニングのスコアよりも、ライティングで高得点を取る傾向にあります。
少し顕著な例ですが、人によっては「R:50%, L:50%, W:90%」などの得点比率で合格するパターン全然ありえます。
合格者平均点の目安
- リーディング (R):65%
- リスニング (L):65%
- ライティング (W):75%~80%
英検2級の試験レベル
続いては『英検2級の試験レベル』についてです。
英検の公式サイトでは『高校卒業程度』とランク付けされている英検2級ですが、英検準2級とはかなり難易度に差があるのはみさなんすでに経験があると思います。
長文で用いられる単語、文章構成の難化による読みづらさ、リスニングの読まれるスピードやライティングのお題など、挙げればキリがないですね。
また英検準2級では、合格に必要な語彙レベルが約3,000語と言われているのに対し、英検2級では約4,500語程度の英単語を覚えている必要があると考えられています。
現在自身の英語レベルが英検準2級程度ならば、シンプルに単語帳をまるまる1冊覚えきれば、単語に関しては英検2級レベルに届くということですね。
英検2級 新形式の試験内容
続いては『新形式に対応した英検2級の試験内容』についてをご紹介していきます。
英検2級の一次試験は、筆記 (R&W) と リスニング (L) に分けられており、筆記試験の制限時間が85分に設定されています。
それぞれのセクションについての時間配分等を、以下で詳しく説明していきます。
筆記 (R&W)
まずは、大きく分けて5つのセクションで構成される筆記試験 (R&W) についてです。
新形式になってから要約問題が追加されたり、その他の問題数が減らされたりと変更点の多いパートですが、個人的には従来の英検と変わらず「ライティングに重きを置く」ことをおすすめします。
なぜならライティングはリーディングと異なり、マークシート形式ではないため、偶然の正解が起こりえないパートだからです。
ライティングは英検においては、時間をかける価値があるパートだということですね。
以下の時間配分は、私の個人的な主観で決めたものなので、参考程度にし自身で適宜調整してみてください。
試験内容 | 問題数 | 時間配分 | |
大問1 | 短文語句補充 | 17問 | 8分 |
大問2 | 長文穴埋め2題 | 6問 | 12分 |
大問3 | 長文内容一致2題 | 8問 | 20分 |
大問4 | 要約問題 | 1問 | 20分 |
大問5 | 自由英作文 | 1問 | 25分 |
大問1:短文語句補充
まず最初に出題されるのが、短い英文の一部が空欄になっていて、そこに当てはまる正しい選択肢を選ぶ "短文語句補充問題" です。
問題数は新形式変更により、20問から17問に修正されました。
もともとは10問が英単語、残り10問が熟語・文法に関する問題でしたが、トータル問題数が17問に減らされたことにより、それぞれの割合も均等に減らされると予想できます。
このパートでの時間配分の目安は、約8分です。
長文問題を1問解いても、語彙問題を1問解いても、得られる得点は同じなので、このパートで可能な限り高得点を狙いたいですね。
個人的なオススメの単語帳はやはり、有名どころですが『英検2級 でる順パス単』です!
試験直前で時間がない人は、熟語は捨ててしまって「英単語の名詞と動詞だけ覚える」のように的を絞ってしまってもいいですね
大問2:長文穴埋め
続いて大問2にて出題されるのが、長文穴埋め形式の問題が2題です。
各長文1題に付き問題数が3問あるため、合計で6問の問題に答える必要があります。
3問のうち1問は、接続表現 (However, For example, In additionなど) を問うタイプの問題が出題されるため「どういう時に However (逆説) が用いられるか?」などを復習しておきましょう。
ちなみに3問のうち残りの2問は、文章全体の流れにあうものを選択するタイプの問題です。
ここでの時間配分の目安は約12分ですね。
大問3:長文内容一致
続いて出題されるのが、長文内容一致形式のメール問題 (3段落構成) と 長めの長文 (4段落構成) の2題です。
各長文1題に付き問題数が4問あるため、合計で8問の問題に答える必要があります。
各問は各段落に対応して問題が考えられているため、段落1を読んだら設問1を答え、段落2を読んだら設問2を答える...のような流れで解いていくのがオススメです。
最後の問題に関しては「Which statement is true?」のような、長文全体の内容を問うような問題が出題されることが多いですね。
英検準2級の長文問題は、主語と動詞がはっきりしている英文で構成されていますが、英検2級では主語が長くなったり挿入分が途中に入ってきたりするため、全体の内容が把握しづらくなっています。
英検2級の長文問題が難しく感じる人は、以下の『英語4技能 ハイパートレーニング 長文読解』がオススメです!
大問4:要約問題
続いては新形式で新たに追加された、ライティングの要約問題についてです。
まとめる文字制限は45語~55語と設定されており、この後に紹介する自由英作文と比べて短めに設定されているため、制限時間は20分程が目安になるでしょう。
一見すると全体を読んで少ない文字数でまとめる作業は難しく思えますが、英検2級の要約はいわゆる「段落要約」です。
3段落で構成されるオリジナルの文章の各段落についてを1文づつ計3文にまとめることにより、文字数制限内のちょうど良い出来の英文が作成できるようになっています。
英文の難易度については、長文問題とは異なり英検準2級程度に設定されているため、読めなくて困ることはないでしょう。
大問5:自由英作文
最後の大問5の問題が、ライティングの自由英作文ですね。
語数制限が80語~100語で少し長めに設定されているため、25分程使用して書き上げてしまいましょう。
お題の難易度については、英検準2級と比べて格段に難しくなっています。
具体的に言えば、英検準2級では「学校・勉強」など身近なものがお題になりやすい傾向にありましたが、英検2級では「環境問題・仕事」など、ワンランク上のトピックが使用されます。
英文を書く以前に「そんなトピックでそもそもアイディアが浮かばないよ!」と言う人は、ぜひ以下の記事を読んでみてください!
リスニング
続いてはリスニングパートについてです。
英検2級のリスニングは、英検準2級のリスニングと比べて格段に「読まれるスピード・発音のナチュラルさ」のレベルが高く、対策なしで挑むのはかなり厳しいでしょう。
例えば1例ですが、有名な「good job:グッジョブ」と同じような発音の連結が「next station:ネクステーション」などの形で頻繁に起こります。
特に大問2の説明形式のリスニングに関しては、大問1と比べると内容がかなり難しくなっていることもあり、多くの人が苦手と感じるセクションでしょう。
個人的には、大問1で「12問/15問」程度の正解率を目指し、大問2については半分ちょっとの正解率で良いという心持ちで挑むことをオススメします!
問題形式 | 問題数 | |
大問1 | 対話形式 | 15問 |
大問2 | 説明形式 | 15問 |
まとめ
今回は、新形式に対応した英検2級の試験概要についてを詳しく見ていきました。
とにかく英検2級の試験が間近に迫っているみなさんが今やるべきことは、過去問を解いて "自分の今の現状を把握すること" です。
そして「どのパートが合格ラインに達していないのか?」を選定し、徹底的に対策しておきましょう。
もし「自分一人で現状をスコア分析をするのが不安」「ライティングの採点がよく分からない」という人は、手軽にワンコイン500円で利用できる「さむらい英語塾」というサービスをおすすめします。
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