「医英検って情報が全然出回ってないけど、どんな試験なんだろう...」
まだまだ多くの方にとって未知の試験である医英検ですが、やはり適切な情報を事前に仕入れておくことは合格率を高めることに繋がります。
この記事では、そんな悩みを持つ医療英語学習者に向けて、医英検の概要と対策方法について紹介します。
実際に試験の対策をし受験した私の経験に基づく内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
記事の内容
- 医英検の概要(試験内容・受験料など)
- 医英検3級, 4級の対策方法
- 医英検3級, 4級の問題を解いてみた感想
記事の信頼性
子育てをしながら社会人から、留学なしで英語を身に付けてきたプロセスをシェアしています。
Contents
医英検の概要
まずは『医英検の概要』についてお話します。
まずそもそも医英検とは、日本医学英語教育学会が主催する医療に特化した英語検定試験のことを言います。
受験に必要な資格は特になく、主に医療関係者の人たちを対象に実施されている試験です。
2008年からスタートした比較的新しい試験であり、2018年の段階で過去受験者数は3,500名に達しています。
試験の難易度
続いては『試験の難易度』についてです。
現在、医英検はその試験内容の難易度により、レベルが4つの等級として区分けされています。
各級で求められる英語レベルの詳細については、以下の表をご参照ください。
実際に試験を受験する際には、1級・2級にいきなり挑戦するのはルール的に不可とされており、最短でも「3級 → 2級 → 1級」の順序で試験をクリアしていかなければならないので注意しましょう。
医英検の等級 | 求められる英語レベル |
エキスパート級 (1級) | 医学英語教育を行えるレベル |
プロフェッショナル級 (2級) | 英語での論文執筆・学会発表・討論を行えるレベル |
応用級 (3級) | 英語で医療に従事できるレベル |
基礎級(4級) | 基礎的な医学英語運用能力を有するレベル |
試験内容
続いては『試験内容』についてです。
こちらも試験の難易度同様に、受験級によって求められる英語のスキルが完全に異なってきます。
筆記試験のみなのか、リスニング力も必要とするのか、面接でスピーキングを行う必要はあるのかなど、以下の表でに十分に確認しておきましょう。
医英検の等級 | 試験内容 |
エキスパート級 (1級) | 面接試験-30分 医学英語あるいは医学英語教育の業績の事前審査 |
プロフェッショナル級 (2級) | 筆記試験-80分(自由筆記3問) プレゼン(口頭発表-10分, 質疑応答-15分) |
応用級 (3級) | 筆記試験-90分 (語彙25問程度、長文35問程度) リスニング試験-30分(15問程度) |
基礎級(4級) | 筆記試験-90分 (語彙25問程度、長文25問程度)
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医英検3級・4級の詳細
- 4級は筆記のみ、3級は筆記・リスニングの4択のマークシート試験
- リスニング試験は音声が2回流れる
- 3級受験者で筆記試験のみ合格の場合は「準応用級 (準3級)」に認定される
- 試験年度によって違うが、合格基準は7割程度(合格率については公表されていない)
医英検2級の詳細
- 自由筆記は論文執筆にそった問題が与えられる
- 発表用の原稿・スライドは事前の提出が必要で、発表の時は用意した原稿を見ることはできない
- プレゼンについてテーマは「医療・医学英語」に関するものであれば自由
医英検1級の詳細
- 5分間、英語の発表を国際学会の状況を想定しておこなう
- 発表内容のスライドは事前の提出が必須
- 当日に数枚の学会発表用スライドが渡され、それについての問題点や改良点を指摘する
- 最後に医学英語教育に関して、試験官とフリートークをし終了
受験料と試験日程
最後に『受験料と試験日程』について見ていきましょう。
受験料は基本的には、級が上がるにつれて高額になる傾向にあります。
試験日程については、どの級においても年に1回のみの開催となります。
詳細は以下の通りです。
受験料
- エキスパート級, プロフェッショナル級:15,000円
- 応用級:9,000円(※準応用級がリスニング試験のみを受験する場合は3,000円)
- 基礎級:6,000円
試験日程
- 1級・2級は毎年1月
- 3級・4級は毎年6月
医英検3級, 4級の対策方法
続いては『具体的な試験対策』についてです。
まだまだ情報が広く出回っていない試験のため、試験対策が可能な参考書はかなり限られています。
ですが、医英検の3級・4級であれば、以下の3冊のみで十分対策が可能です。
- 日本医学英語検定試験3級・4級教本
- トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい
- 医歯薬系 入試によくでる英単語600
① 日本医学英語検定試験3級・4級教本
まず必要になる参考書が、医英検主催の日本医学英語教育学会から出版された公式問題集である『日本医学英語検定試験 3級・4級教本』です。
やはり医英検に限らず試験を受ける上でまず重要になるのが、どういった内容の問題が出題されるのかの把握ですよね。
試験後に問題用紙が回収される医英検では、現状「どのような問題が出題されるか?」を確認できるのはこの参考書のみです。
またこの教材には、巻末に試験に必要となる医療英単語がリストとして一覧表で載せられているので、どういった単語が重要になるのかの理解もこの1冊で完結します。
② トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい
続いての参考書が『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい』です。
こちらは「医療英単語は 語源で覚える」ということをコンセプトに売り出している、専門的な医療英単語を載せた単語帳です。
既存の単語帳とは異なり、1度出てきた英単語が後半でも何度も復習として登場するので、1周するだけでもかなり記憶に残るような仕上がりの英単語帳となっています。
その内容についても、医英検を専門にして作られたのではないかと疑ってしまうほど、この試験に適した内容となっており、正直この参考書なしでは医英検3級, 4級に合格するのはかなり難しいと思います。
③ 医歯薬系 入試によくでる英単語600
最後に紹介する参考書が『医歯薬系 入試によくでる英単語600』です。
こちらは医療系の大学を受験したことがある人にとっては、すでに有名な単語帳かもしれません。
その内容は、前出の『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい』とは異なり、医英検を受ける前段階として知っておくべき基本的な英単語がまとめられた参考書です。
医療に関しての長文を読みながら英単語を覚えていけるスタイルの英単語帳で、医療人としての知識レベルの向上という点でも読み応えがありオススメできます。
基礎医療英語に自信がない人は、ぜひ一度手に取ってみてください。
医英検3級, 4級の模擬試験を解いてみた感想
最後に、実際に医英検3級, 4級の模擬試験を解いてみた感想について共有していきます。
リーディング・リスニングについてを別々に見ていきますので、ぜひレベル感の参考にしてみてください。
リーディングパート
まずは『リーディングパートを解いてみた感想』についてです。
こちらのパートのレベル感としては医英検3級, 4級ともに英検2級ほどの内容で、そこまで劇的に難しいものではありませんでした。
しかし、やはり医療英語を専門にしている試験ということもあり、医療英単語を知らないと解けない問題自体が多いので、そこは徹底的に対策する必要があると感じました。
具体的に覚える必要がある英単語の範囲については、すでにご紹介した参考書の内容をカバーするだけで十分合格圏内に達します。
リスニングパート
続いては『リスニングパートを解いてみた感想』についてです。
こちらはパートはリーディングとは異なり、難易度がグッと上がるため、医療英単語のリスニングに慣れていないと撃沈してしまうと思います。
通常の英検などの試験と異なり英文が2回読まれるとはいえ、知らない単語は何度聞いても理解できないため、このパートが原因で合格を逃す人がほとんどでしょう。
ただ読まれる英文の速度はそこまで早くないので、まったく何を言っているか分からないということないと思います。
医療英単語を覚える際は、目からの視覚情報だけに頼るのではなく、音でも意味が取れるようにしておく必要があると強く感じました。
まとめ
今回の記事では『医英検の概要と対策方法・模擬試験を解いてみた感想』について共有していきました。
医英検3級, 4級の突破であれば、今回ご紹介した参考書のみで十分対策が可能です。
年1度しかチャンスがありませんので、万全の準備で試験に臨めるようにしておきましょう。
最後に本日のまとめです。
医英検3級, 4級の難易度
- リーディングの難易度は英検2級程度
- リスニングの難易度はリーディングと比較して高い
- どちらにも共通して言えるのは『医療英単語の知識がないと太刀打ちできない問題も多い』ということ